特定非営利活動法人太平洋戦史館は、平和のための資料館です。
この3つの柱をもとに、太平洋戦争の激戦地、西部ニューギニア方面(インドネシア共和国パプア州及び西パプア州)で、今も残されたままの兵士たちの遺骸捜索活動を続けています。
終戦から70数年を経た今も、ニューギニアの戦場跡にとり残された兵士たちの遺骸は、堆積した落ち葉の下から、生活道路の下で踏まれて、ときには生活ゴミの中に一緒に廃棄されていることもあります。このような場面に度々直面していると、何とかそこから救い出したい気持ちでいっぱいになります。
私たち生きている人間一人ひとりに人権があるように、死者、戦没者一人ひとりにも人権があります。人は死んでも人なのですから、死んでも人間としての尊厳が守られるべきです。それを守るのは私たち生きている人間。
戦争で命を奪われた兵士たちがこのように扱われている現実を知ってほしい。国家の責任で送り出した兵士を、国家の責任で故国にお迎えし、死者としての人権を護ってほしい。そして旧戦場の跡の危険物を撤去し、子供たちがはだしで駆け回れる安全な環境に戻してほしい。
その戦後処理を通じて、戦争を積極的に避ける「避戦」を実践できれば、それは新たな戦争に加担しないために、とても大切なことであると戦史館は考えています。
戦史館の活動や展示を知ることで、70数年前の戦争と今が繋がっているのを、理解してほしい。それが、戦史館の願いです。